「これからどうなるんだろう…」
静かな部屋の中、ふと胸に芽生えるざわつき。
仕事のこと、お金のこと、人間関係、健康や家族のこと―考えだすとキリがなくて、夜も眠れないことがありますよね。
どこに向かっていけばいいのか、何を信じたらいいのか。
私たちは、未来が見えない世界を日々生きています。
今日は、そんな「将来の不安」について考えたいと思います。
なぜ不安になるのか?
将来が不安になるのは、「確かなものがない」からです。
先のことが分からない。何が正解かも分からない。
だからこそ、心がざわざわと揺れてしまう。
でも、その揺らぎには、私たちが「もっとよくなりたい」「何とかしたい」と願う気持ちが込められています。
不安は、生き延びようとする心のセンサーです。
不安は、大昔に、人が外敵から身を守るために発達しました。
不安を感じ、脅威を察知することで、リスクを回避する行動を取ることができたのです。
不安は、現代では「仕事を失うかもしれない」「将来のお金が足りるか心配だ」といった目に見えない脅威を察知し、行動を促してくれます。
だから、不安は「余計なもの」ではなく、あなたを守り、未来への準備を促す大切な心の機能なのです。
考えれば考えるほど、不安は大きくなる
将来が不安で、何も手につかない。
そんな日もあるかもしれません。
でも実は、不安は頭の中で考えれば考えるほど、大きくなります。
「このままで将来大丈夫なのか」
「あのとき、ああしておけばよかったかも」
「今度のプレゼンに失敗したらどうしよう」
じっとしているとネガティブなことをぐるぐると考えてしまいます。
このネガティブな反芻思考は、不安をどんどん助長させ、ときにはメンタル不調を起こすこともあります。
不安なときこそ、「今」を生きる
だから、不安なときこそ、「今」を生きることが大切です。
「今」を生きるというのは、目の前のことに集中するということです。
たとえば、こんな感じです。
「将来が不安だけど、この2時間は不安を忘れて、勉強に集中する」
「プレゼンが不安だけど、準備は明後日することにして、それまではプレゼンのことは忘れてる」
という風に、行動を「今やる事」と「やらない事」に分け、”今やる事に集中する”ことです。
このとき、自分にはっきりと「2時間は不安を忘れてOK」「明後日までプレゼンのことは忘れてOK」と許可を出すことが重要です。
許可を出したら、すっかり忘れるぐらいに放ってみてください。
そうすると、迷いがなくなり「今やる事」に驚くほど集中できるようになるんです。
これが「今」を生きるということです。
頭の中で考えている時は、不安がどんどん大きくなっていきますが、「今やる事」に集中して取り組んでる間は、不安を感じることはありません。
不安なときって、
「不安なことについてずっと考えていないとダメな気がする」
「不安が解決してないのに他のことを考えてはいけない気がする」
と不安から離れられなくなってしまうんです。
だから、「この時間は不安から離れていいよ」って自分に許可を出してあげることが大事です。
不安から離れて別のことに集中してると、ふっと新しい考えが浮かんできたりして、抱えていた不安が和らぐときもあります。
だから、不安なときこそ、「今」を生きることをやってみてください。
不安をうまく乗りこなす
先ほども書いたように、不安は、生き延びようとする心のセンサーです。
人間が生き残るために身に付けた心の武器です。
だから、不安を感じるのは当たり前で、自然なことなのです。
ただし、不安は暴れ馬なのでうまくコントロールすることが必要です。
暴れ馬が自分の中で暴れすぎると、不安に飲み込まれてしまいます。
だから、不安が来たなと思ったら、慌てず冷静に不安に向き合ってください。
そうすると、不安をうまく乗りこなすことができ、不安を味方に付けることができると思います。
未来は「行動」の先にしかない
どんな未来も、「今」の積み重ねの先にしかありません。
未来は、今日の延長線上にしかないのです。
だからこそ、将来が見えないときほど「今をどう生きるか」がとても大切になります。
今の自分にできること。
今、手を伸ばせる範囲にあるもの。
それをひとつずつ丁寧に選び、積み重ねていく。
未来のことを心配しすぎて、今日を粗末にしてしまってはもったいない。
今日を大切に生きることが、やがて未来をかたちづくっていくのです。
おわりに
不安は、これかららも消えることはないかもしれません。
でも、不安があるからこそ、私たちは動き、学び、成長していけるのです。
たぬき堂では、これからも「生きること」や「考えること」の意味を、いっしょに見つめていきたいと思っています。
あなたの不安が、少しでも軽くなりますように。
そして、あなたの歩みが、あなたらしいものでありますように。