こんにちは、「まなびやたぬき堂」のたぬきです。
今回は「働くこと」について、ゆっくりと考えてみたいと思います。
日々の生活の中で、私たちは多くの時間を“働くこと”に費やしています。
働くというのは、「人生の大きな一部」と言ってもいいかもしれません。
でも、そもそもどうして私たちは働くのでしょうか?
「生活のため」「お金のため」「家族を養うため」「やりがいのため」──
きっと人によって答えは違うでしょう。
もちろん、これらはすべて大切な理由ですし、どれもが正解です。
私たちは生活費を稼がなければ暮らしていけませんし、仕事の中で充実感や喜びを得られることもあります。
けれど私は最近、もう少し根っこの部分で「働くことの意味」を考えるようになりました。
たとえばそれは、“社会の中で生きる”ということの本質に関わるような問いです。
社会は「仕事の分担」で成り立っている
たとえば、もし私たちが、今日からすべてを自分一人でやらなければならないとしたら、
どうなるでしょう。
自分で野菜やお米を育て、家を建て、服を作り、病気になったら自力で治療し……
考えただけでもとても大変ですし、現実的ではありません。
私たちは、ひとりでは生きていけません。
だけど、誰かが農業をしてくれているおかげで、ごはんを食べることができて、誰かが建ててくれた家に住み、電気や水道を使い、困ったときには病院でお世話になることができます。
つまり、私たちは「分担」という仕組みの中で生きているのです。
それぞれが得意なことを分担することで、私たちの暮らしは豊かで便利になっています。
「分担」=「みんなで協力して支え合う仕組み」です。
たとえば日本の国民が100人しかいなかったとしたら─―
誰かが漁をして、誰かが畑を耕し、誰かが道具を作って、誰かが病人を看病して、みんなで役割を分け合うことで効率よく豊かに暮らせる、というのはイメージしやすいと思います。
それが現代の1億2000万人の人口になっても「みんなで協力して支え合う仕組み」はまったく同じなのです。
人口が多くて見えにくくなってますが、私たちは、見えないところでたくさんの人とつながっていて、その“つながり”があってこそ、生きていけるのです。
だから「働く」というのは、自分の得意なことやできることを社会に差し出し、誰かの役に立つことで、また自分も誰かから助けてもらう。
そんな「循環の輪」に加わることなんだと、私は思っています。
仕事は「社会への小さな貢献」
こうして考えてみると、働くというのは「誰かの役に立つ小さな貢献を積み重ねること」とも言えます。
お米を作る人がいて、ごはんを食べられる。
電車を運転する人がいて、通勤できる。
道路を掃除してくれる人がいて、気持ちよく街を歩ける。
病気を診てくれる人がいて、健康を取り戻せる。
どれも欠かすことができません。
たとえ目立たない仕事でも、どんな役割でも、それぞれが社会の歯車の一つとなって全体を支えています。
だからこそ、一人ひとりの仕事はとても重要なのです。
「自分が社会のどこかを少しでも支えているんだ」と思えたとき、働くことに対する気持ちは少し優しく、あたたかくなるのではないでしょうか。
仕事は評価やお金のためだけじゃない
私たちはつい、「この仕事は人に評価されるか」「給料が高いか」で仕事の価値を測ってしまうことがあります。
でも、本当の意味で働くことの価値を考えたとき、
「社会の中で自分が果たす役割があること」
「誰かの暮らしを少しでも支えていること」
この実感こそが、働く意味の根っこにあるのだと思います。
そしてそれは、どんな仕事でも、どんな立場でも共通していることです。
みんなが少しずつ役割を担うことで、社会全体がうまく回っています。
たとえば、近所のおばあちゃんの話し相手になってあげるとか、保育園の子どもたちが笑顔で過ごせるように工夫するとか、そんな“目に見えにくいけど確かな貢献”が、社会のあたたかさや、暮らしの豊かさを育てている。
「誰かの役に立ちたい」「自分にできることをしたい」という思いが、きっと仕事の原点なんだと思います。
だから私は、「どんな仕事も尊い」と心から思っています。
人前に立つ仕事も、縁の下を支える仕事も、全部大事。
優劣なんて、どこにもありません。
働くことは「つながり」を作ること
働くことは、社会の一員として生きるということ。
それは、自分の存在が“誰かとつながっている”と感じられる、貴重な体験でもあります。
学校では「点数」で評価され、社会に出ると「効率」や「成果」で測られるようになるけれど、そのどれでも測れない、“人としての価値”がきっとある。
働くことを通して、自分自身が社会の一部であることを感じ、誰かのために役立てる喜びや、ありがとうと言われる温かさに触れる。
それは、人生をより豊かにしてくれる経験です。
働くことは、幸せにつながっている?
働くことには、疲れることも、悩むこともついてきます。
時には、投げ出したくなる日もあるでしょう。
でも、「誰かの役に立っている」「社会の一部を担っている」と感じられるとき、人は小さくても確かな幸せを感じるものです。
それはきっと、「生きていていいんだ」「ここにいていいんだ」という実感。
評価や肩書きとは関係のない、自分なりの誇りや喜び。
そんな気持ちが、少しずつ心を豊かにしてくれます。
社会と、やさしくつながるために
これからの時代、「働き方」はどんどん変わっていくでしょう。
リモートワーク、AI、自動化、多様な働き方。
私たちはますます「何を仕事にするか」を自由に選べるようになります。
だからこそ大切なのは、「なぜ私はこれをやっているのか」という問いを持ち続けること。
ただお金のためだけに働くのではなく、「社会とどう関わりたいか」「どんなふうに誰かの役に立ちたいか」という気持ちを大切にすることです。
おわりに 働くことの本当の意味
働くということは、
「社会の中で役割を分担し合うこと」
「誰かの暮らしを支える小さな貢献を積み重ねること」
「社会の中でお互いにつながり合うこと」
そんなふうに考えると、日々の仕事も少し違った景色に見えてくるかもしれません。
今日もどこかで誰かが自分の役割を果たしている。
私もまた、どこかで誰かのために働いている。
そうやって私たちは、社会という大きな「つながり」の中で生きています。
これが「まなびやたぬき堂」の考える「なぜ私たちは働くのか?」の答えです。
ではまた一緒に、次の問いを探しにいきましょう。